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超音波検査(エコー)

エコー検査とは、超音波を検査機器から体内に送信し、その反射信号から内臓や血管などの形を見る検査です。検査機器を体に軽く当てるだけで、痛みなどの苦痛はありません。さらに、レントゲンやCTのように放射線による被爆の心配もなく、赤ちゃんや妊婦さんにも安全に行える検査です。エコー検査は医療行為の中で、最もリスクのない検査である上に、胆石や尿管結石はもちろん、心臓の動きや動脈硬化の状態、肝臓がんや膵臓がんなどの悪性腫瘍まで、体の様々な部位の情報を得ることができます。

 この検査の唯一のデメリットは、検査する人の技量や知識に左右されることです。エコー検査は誰でも簡単に行えますが、たくさんの病気の知識や経験がないと、精度の高い検査ができません。当院では多数のエコー検査経験に基づき、精度の高いエコー検査をご提供いたします。

当院で行っているエコー検査は、頸部(頸動脈、甲状腺)、腹部、心臓、下肢静脈になります。

■頸動脈エコー
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 頸動脈とは、大動脈から頭へ血液を送るための血管です。この部分は「動脈硬化」を起こしやすい場所で、頸動脈の壁の状態をエコーで観察することで、動脈硬化の状態を判定します。動脈硬化が進行すると、動脈の壁の中にコレステロールなどがたまり、これをプラークと呼んでいます。このプラークにより血管の中が狭くなることにより、脳への血流が低下します。また、プラークが破れて中身が血管内に出てしまうと、これが血の塊となり、脳の血管が詰まり、脳梗塞を起こします。プラークを見つけることで、将来の脳梗塞の予防を行うことができます。また、この検査では、心筋梗塞や脳梗塞、大動脈解離などの命のかかわるよう病気が発症する危険度を推測することもできます。

 糖尿病や高血圧、肥満やコレステロールが高い方、タバコを吸う方など、動脈硬化の危険が高い方は、定期的な「頸動脈エコー」をお勧めします。

■腹部エコー
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 肝臓、胆のう、膵臓、腎臓、胃、大腸、前立腺、子宮、膀胱、大動脈など、お腹の中にあるすべての臓器が検査の対象です。

 脂肪肝や肝血管腫、胆石などの良性疾患から、肝がん、胆のうがん、膵臓がんなどの悪性疾患まで多くの疾患が対象になります。この中でも、胃の裏に隠れている膵臓は時に見にくく、検査行う医師側の技量が検査に大きく影響します。当院では、膵臓をくまなく観察するため、様々な工夫を行い、精度の高い腹部エコー検査をご提供します。

 お腹に痛みや張りなどの違和感を有する全ての方が対象となりますので、お気軽にご相談ください。症状はないけど、すい臓がんや胆石が心配な方も検査できます。腹部エコー検査をご希望の場合は事前にお電話でご相談いただくか、食事を摂らずにお越しください。

■心臓エコー

 心臓の動きや大きさをリアルタイムに観察します。心臓の筋肉を栄養する血管が詰まる心筋梗塞では、心臓の壁の一部が動かなくなりますが、エコーではそのような心臓の動きを知ることができます。また、心臓にある4つの弁の状態を観察し、心臓にかかる負荷の状態を知ることができます。検査時間は15分から30分程度、痛みなどはもちろんありません。

 頸動脈エコーと同様に、糖尿病や高血圧、肥満やコレステロールが高い方、タバコを吸う方など、動脈硬化の危険が高い方は、定期的な「心臓エコー」をお勧めします。

■下肢静脈エコー

 血管には心臓から血液を送りだす動脈と、全身から心臓に血液を返すための静脈があります。足の静脈には、血の塊(血栓)ができやすいことが知られています。エコノミー症候群って、聞いたことがありますよね?長い時間、飛行機の中で足を動かさずにいると、足の静脈の血液が淀んで血栓ができてしまう病気です。血の塊が肺に飛んで、肺の血管が詰まると肺塞栓症という重篤な病気を引き起こします。飛行機に乗っていなくても、静脈が膨らんで静脈瘤がある方などは、血液が淀みやすく、血栓ができやすいので注意が必要です。ふくらはぎの表面に血管がもこもこと出ている方は、定期的に検査をお勧めします。

 また、足の先が冷たい方や、歩いていると足が痛くなる方などは動脈が細くなっている可能性がありますので、ご相談ください。

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